今日の学びは「勉強に興味を持つきっかけは普段の生活の中に」
- 中学受験のテクニック以前に「学びの本質」の部分が大事
- 勉強や学びの楽しさを知ることは、子どもの選択肢を増やすことにつながる
- 子どもに学びを楽しんでもらうためには、お父さんお母さん自身が学びを楽しみ、新たな世界にときめくような日々を送ることがとても大切
【学びレベル】
我が家の子どもたちも通塾している中学受験塾「SAPIX」が新刊を出版しました。
今回取り上げた本は主に低学年までのお子さんを持つ親を対象として書かれているのですが、小学校高学年でも気づきが多い内容になっています。
ということで、中学受験合格を目指している保護者にぜひ読んでいただきたい1冊です。(本の内容を読んだ限りでは、SAPIXにお子さんを通塾しているかどうかは特に問題なさそうでしたのでご心配なく)
それでは気になった箇所をピックアップしていきます!
(私が学生時代は国語が苦手だったので、どうしても「国語ができる子になる習慣」のピックアップが多くなってしまった点はご了承ください)
SAPIX 小学部 広報企画部の広野雅明さんは、子どもたちを教えているなかで、ほかの子が理解している状況でも臆せずに「なんでそうなるの?」「ここ、おかしくない?」と疑問を投げかけてくる子は伸びる、と語ります。
本文34ページ
場の空気をあえて読まず、かつ鵜呑みにせず、自分の好奇心で質問ができる子は伸びるということです。
これは、社会人になってからも同様のことが言えると思ってまして、あえて聞いたり疑問を投げかける人は社会人になっても伸びると思っています。(「(状況を踏まえて)あえて聞く」というところが実はポイントで、毎回 聞いてばかりではもちろんダメな社会人です)
高宮さんは、毎日の簡単なやりとりに「なんで?」を挟んでいくことを大事にしているそうです。たとえば、「夕飯で何が一番おいしかったか」を尋ねて、子どもが「お肉」などと回答したら、「なんで?」と聞いてみるのです。
本文36ページ
あえて子どもに自分の頭で考えを整理させて、言語化させる(=表現する訓練をさせる)というところがポイントでしょう。
その都度 子どもに聞くのはつい面倒臭くなり、その行為自体を省略したくなりますが、そこは一呼吸置いて、やさしく子どもに語りかけましょう!
Check!
本文58ページ
- 保護者自身がテレビやスマホをみるのをやめて、子どもが集中できるようにする
- 保護者も一緒に資格の勉強や読書をして、親子で集中タイムをつくる
親が四六時中スマホを見続けたり、テレビをだらだら観てはいないでしょうか?
ポイントは「子供が集中できる環境を整える」「親が集中している姿を子どもにみせる」ということです。
これは中学受験を控える小学生を持つ親にとって、最も気を付けるべき内容かと思います!
国語ができる子になる習慣
ポイント② コミュニケーションの量を増やす意識的に会話の機会を設けていくことが大事です。
本文65ページ
ニュースの話題でも、趣味の話でもなんでもいいのです。子どもがいる場所で大人同士も会話をする。そんな場面を増やしていってください。
ご両親が共働きの場合、帰宅後はくたくたに疲れて、ほとんど会話のないご家庭も多いかもしれません。
そこはあえて意識して保護者同士がコミュニケーションを取ることで、子どもにもコミュニケーションの機会を作ることを促していくことが必要なんでしょうね。
特に時事問題・世界情勢や日常の出来事などをよく会話する姿を見せ、子どもを巻き込んでいく力が保護者には求められているのかもしれません。
国語ができる子になる習慣
子供は親の姿をみて育ちますから、「読書をさせたい」と思ったら、まず親は本を読むことが大切です。
その際には必ずしも難しい本を読む必要はありません。自分の趣味の本でもいいですし、雑誌でもいいのです。興味に合わせて開いていれば、子どもが本を身近に感じて「本は楽しいものだ」と思うようになります。
本文71ページ
これは私にとって耳の痛い話です。
実は、私は普段 通勤電車の中で読書をしていて、自宅ではほとんど読書をしていません。
でも確かに子どもに読書をしている姿を見せることで、子ども自身が読書に興味を持つということは確かにありそうですね。
我が家では定期的に図書館に行って本を借りていますので、私も一緒に図書館に行き、興味がある本は何冊か借りて、あえて自宅でも読書をしている姿を見せるようにしていきたいと思います。
国語ができる子になる習慣
さらに国語力を上げるには、「あとで、どんな話だったか教えてね」と声をかけておき、読み終えたら、「主人公の〇〇は何をしたの?」「どんなことを思った?」など子供にインタビューをしてみることです。
尋ねるからには、保護者もその本の内容をきちんと理解していなければなりません。忙しいと思いますが、お父さんお母さんが子どもと同じ本を読むことで、一緒に話をしながら楽しむことができます。
本文72~72ページ
子供の国語力を上げるには「親が聞いて、子ども自身の頭で考えさせる」ということが重要ということです。
これは保護者にとってそれなりに負担になりそうですが、そこは保護者も同じ本を読んで子どもと一緒に話をしながら楽しむマインドが必要なんでしょうね。
子どもだけでなく、親も一緒に勉強をするマインドが重要ということです。
私はあえて子どもの持ち帰ったSAPIXのテキストで出題されている文章を読んで、問題を解いてみようかと思い始めています。もちろん、その後は子どもたちにいろいろ質問して考えさせることが目的です。(大人の「学び」もいつから始めても遅くはないはずですよね?)
国語ができる子になる習慣
「わからない言葉がでてきたら、すぐに辞書を引きなさい」と指導する人もいますが、その前に一旦想像する経験を挟むことが大切です。
本文83~84ページ
想像したあとに、辞書を引いて、「あ、当たった」と答え合わせをします。一度立ち止まって考えることで、わからなかった言葉の印象が強くなり、記憶が定着しやすくなります。そして、言葉の意味を想像する経験を重ねることで、類推する力もつけていくことができるのです。
これは大学受験やTOEICの英文読解でも同じことがよく言われてましたよね。。。
「意味のわからない英単語が出てきたら、まずは前後の文章からその英単語の意味を類推しなさい」って言われるやつです。
まさに、中学受験の国語でも同じ手法を使っていけば、記憶定着や類推力がつくそうです。
(どうしても効率的に勉強させたいばかりに、すぐに子ども自身で辞書で調べさせそうですが・・・)
国語ができる子になる習慣
物語文のなかで、「主人公はどう思ったのでしょう?」といった心情を読み取る問題が苦手な子には、音読することで登場人物の思いや感情を理解できているか確認することをおすすめします。登場人物の感情をくみ取れていない子は、音読しているときに棒読みになることが多いからです。
本文87ページ
抑揚をつけて音読すると、登場人物の心情を子どもがどのぐらい理解しているかがわかります。
物語文ですが、私も中学受験の国語で苦手な分野でした。
きっと、自分勝手に登場人物の心情を解釈して解答していたと思います。
その解決法が「(事前に黙読させたあとに)抑揚をつけて音読させてみる」と書いてあったとき、昔の私だったら棒読みになっていただろうなぁと思いました。
これはすぐに子どもたちに使ってみたい手法です。
国語ができる子になる習慣
作文を書くために必要なことは、「何があったのか」「どんなことを思ったのか」について、まず子どもの話を聞いてみることです。
本文96~97ページ
子どもが作文に書こうと思っていることを話しているときに、親がインタビュアーになって、「そのとき、どう思ったの?」「そのあと、どうしたの?」など、質問を挟みます。聞かれることで、子どもは思い起こしたり情報を整理したりしていきます。聞き手がいるいることで、内容が膨らんでいくのです。その膨らんだ内容を文章にすれば、作文になっていきます。
我が家でも夏休みの作文で毎回苦労しているのですが、本を読み終わった後にインタビューを敢行するといいんですね。
これまでは「すぐに下書きを書いてみて!」なんで子どもたちに言っていたのですが、子どもの頭の中で整理もできていないのにいきなり書くことは酷なことだったのかもしれません。大反省です。
国語ができる子になる習慣
文章を抽象化してとらえる能力は、一朝一夕では身に付けられません。ご家庭で一つの文章や本を読んだあとに、「今日のお話がどうだった?」「どんなことが書いてあったの?」と尋ねるといった取り組みの積み重ねが大事になってきます。
本文110ページ
「文章を抽象化してとらえる能力」とは、言いかえると「要約力」ですね。
これは社会人でも求められる力でして、「資料のメッセージに何を書くか」を考える力とまったく同じです。
小学校の頃から意識して積み重ねていけば、コンサルタントとして必要なスキルである「要約力」でも苦労しないのかもしれません。
今回は我が家の事情で「国語ができる子になる習慣」をメインにピックアップしましたが、それ以外の教科でも気づきになる箇所がいくつもありました。
(国語ができるようになるためには、子どもが自分の頭で考え、子どもが自分の考えたことを表現することを待つ「親の姿勢と根気」が一番重要ということが痛いほど分かりました)
繰り返しになりますが、中学受験の細かいテクニックを書いてある本ではありません。
しかし、日常生活でどんな点に気をつければいいかという「ヒント」が書かれているという点で、中学受験合格を目指している保護者の方にぜひ読んでいただきたい1冊だと思いました。
子どもの好奇心や興味関心、探究心を大切にしていく重要性が繰り返し書かれている本だよ。それが学び続ける力につながり、子どもたちが生きるうえでの原動力になるはず。
この本に書かれていることを子どもだけに押し付けるのではなく、保護者も一緒に楽しみながらトライするのがポイントだね。
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はじめに
SAPIX卒業生保護者が「家でやっていること」
第1章 自発的に学び続ける「頭のいい子」
「頭のいい子」とは、どんな子?
学びは楽しくなければ続かない
家庭や学校での体験が、学び続ける姿勢をつくる
学び続けるために必要な3つの力
SAPIX式家庭学習の習慣
① 勉強の過程と結果、どちらを大事にする?
② 子どもに問題を教えたあとにかける言葉は?
③ 教えたそばから忘れる子どもにイライラしたら?
④ 板書をノートに取ることは必要?
⑤ 子どもの「得意」と「苦手」どちらに目を向ける?
⑥ 子どもが集中していないとき、どう伝える?
第2章 国語ができる子になる習慣
「国語」は、全教科の基礎だからこそ「キライ」にさせない
いい親子関係が国語力を育てる
国語を学ぶことで育つ力
能力1 論理的思考力と表現力
能力2 他者を理解する想像力
能力3 教科の枠にとらわれない興味関心
SAPIX式国語ができる子になる習慣
① 子どもの読書量を増やすには?
② 読解が苦手な子にどうアドバイスする?
③ 子どもにわからない言葉の意味を聞かれたら?
④ 物語文の心情が理解できているか不安なときは?
⑤ なかなか漢字が覚えられないときは?
⑥ 作文が苦手な子にどうアドバイスする?
⑦ 自分の考えを表現できるようになるには?
⑧ 国語が得意な子への接し方は?
Colum 中学入試「国語」のトレンド
第3章 算数ができる子になる習慣
算数は苦手意識をもちやすい「積み上げ教科」
小学生での得意・不得意はすぐに変動する
算数を学ぶことで育つ力
能力1 トライ・アンド・エラーをする力
能力2 条件を整理して段取りを考える力
SAPIX式算数ができる子になる習慣
① 算数に興味をもたせるには?
② 数字を身近に感じさせるには?
③ 計算ミスが多い子にどうアドバイスする?
④ 単位が苦手な子にどうアドバイスする?
⑤ 文章題や図形問題を解く力をつけるには?
⑥ 子どもの立てたスケジュールが破綻したら?
⑦ 図形問題が苦手な子にどうアドバイスする?
⑧ 算数が好きなのに、テスト結果が悪いときは?
⑨ 理解できていない単元は、徹底的に学び直すべき?
⑩ 算数を得意にするには?
Colum 中学入試「算数」のトレンド
第4章 社会ができる子になる習慣
社会科は単なる暗記だけでは伸びない
子どもの発見や疑問を深めて広げる工夫を
社会科を学ぶことで育つ力
能力1 多様な価値観を大切にする力
能力2 仮説検証する力
SAPIX式社会ができる子になる習慣
① 社会科を身近に感じさせるには?
② 社会科に興味をもたせるには?
③ 子どもの素朴な疑問にどう向き合う?
④ お手伝いと勉強、どちら優先?
⑤ 頭のいい子にするにはどんな会話をすべき?
⑥ 子どもは違う世代の人と交流させたほうがいい?
⑦ 役に立ちそうもないことに子どもが夢中になっていたら?
⑧ 質問に対して、子どもが突飛な解答をしたら?
⑨ 時事に興味をもたせるには?
⑩ 子どもが言葉を省略して話してきたら?
Colum 中学入試「社会」のトレンド
第5章 理科ができる子になる習慣
親自身の「好き」や興味関心を子どもと共有する
理科に興味をもつと「気づき」が増える
理科を学ぶことで育つ力
能力1 論理的に物事を解き明かす力
能力2 好奇心と探究心
SAPIX式理科ができる子になる習慣
① 理科に興味をもたせるには?
② 博物館や科学館などのミュージアムへ行くべき?
③ 理科に関係する本や図鑑は家に置いておくべき?
④ 植物や動物に興味をもたせるには?
⑤ 生物や化学分野の学びを身近に感じさせるには?
⑥ お手伝い中のサポートはどのぐらい必要?
⑦ 理科を得意にするには?
Colum 中学入試「理科」のトレンド
第6章 中学受験との向き合い方
今の中学受験は、暗記だけでは突破できない
SAPIX式受験との向き合い方
① 親の受験体験は活きる?
② のんびりしている子は中学受験に向いていない?
③ 受験勉強だけに集中させるべき?
④ 保護者が勉強を教えてあげるべき?
⑤ 先取り勉強は必要?
⑥ 第一志望の中学に入れなかった場合、高校受験でリベンジする?
⑦ 小学生のときに勉強しすぎると、あと伸びしない?
おわりに
追伸:
この本とは直接関係ありませんが、東大軍師が説明する「SAPIXのいいとこわるいとこ」です。
この方は元SAPIX講師で、ぶっちゃけトークをしているので、入塾検討の参考になると思います。
私が小学生の頃は、中学受験塾と言えば「四谷大塚」が全盛期でした。
最近の東日本の中学受験塾の合格実績では、①SAPIX、②早稲田アカデミー、③四谷大塚、④日能研、の順というイメージですね。
最後に、「中学受験塾の比較動画」をピックアップさせていただきます。ご参考まで。
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