今日の学びは「答えのないビジネス現場や人生においても考える技術がある」
- 答えのないゲームの戦い方の3ルール:「①プロセスがセクシー」「②2つ以上の選択肢を作り、選ぶ」「③炎上、議論が付き物」
- 思考技術の武器3つ:「①示唆 – ファクトから『示唆=メッセージ』を抽出する思考技術」「②B〇条件 – 炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術」「③ゲーム&ゲーム – 思考プロセス、思考解決プロセスを体得する」
- 5つのゲーム感覚(ルールを見極める5つのポイント):「①答えのあるゲーム VS 答えのないゲーム」「②ボジョレー思考 VS ロマネコンティ思考」「③理解ドリブン VS 暗記ドリブン」「④100分の70 VS 100分の3」「⑤アーティストモード VS クリエイターモード」
【学びレベル】
YouTube「考えるエンジンちゃんねる」で有名な元経営コンサルタントの高松智史さんの本です。(ちなみに、弟さんも元経営コンサルタントの高松康平さん!『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』という本を出版されています。兄弟で対談している貴重なYouTube動画はこちら。)
こちらでは、高松智史さん自身がこの本について内容紹介しています!
それでは、この本の気になった箇所をあげていきます!
1枚のスライドを書くということであれば、次のような流れが大切です。
①論点を明確にし、そのうえでメッセージをきっちり言語化する。
②そのメッセージを支えるファクトを必要最低限注入する。
③スライドのイメージを考える
④ここまでの作業をワードでやり切り、その上でPPTを作る。これがセクシーなプロセス。
本文47ページ
1つでも飛ばしてしまうと、最高のスライドは生まれません。
そして当然「2つ以上の選択肢を作る」ことも必要ですし、フォーマットも最低2つは考えた上で、素敵なほうを選ぶ、というプロセスも忘れてはいけません。
これは私が勝手にスライド師匠にしていた方から教わった内容とほぼ同じでした。
私の場合は、「いきなりPowerPointで作り始めるのではなく、まず手書きで伝えたいメッセージを書いて、スライドのイメージの下書きができてから初めてPCを開くんだよ」と教えられました。
いきなりPCを開いてPowerPointでスライドを作り始めると、作ることが目的になってしまい、内容云々よりも見た目で満足してしまうケースが多いからです。
今さらながら「セクシーなプロセス」の一例ということを再認識しました。
僕はこの「100人中3人」が「そうだよね」と納得する示唆をプラチナ示唆と呼んでいますが、・・・(後略)
本文74ページ
「見たままですが」→「何が言えるっけ?」→「それは何人中何人?」
こうして口に出し、思考グセを付けてしまうのが最善策。
本文75ページ
ファクトから示唆を出す思考が自分の中にインストールされていきます。
「何が言えるっけ?」というのは示唆を出すときのフレーズということは、散々 師匠に言われていました。しかし、まずいきなり示唆を出せないときに、まずは「見たままですが」と言ってしまう技は正直初耳でした。
また「示唆は程度問題」という考え方は、これまで私自身がもやもやしていた部分を高松さんの言葉でクリアに説明していただきました。
目指すべきは、「100人中100人が納得する事項」をファクトとすると、「100人中3人」くらいが納得できる『プラチナ示唆(=ファクトから導き出せる価値のある示唆)』なんですね~。
そう、示唆には必ず、対比が存在するのです。
(中略)口癖でいえばこうなります。
本文87ページ
「○○○にもかかわらず、×××ということは□□□に違いない」
これを通称「”にもかか”構文」といいます。
この考え方は私には新鮮でまさに「目から鱗」でした。確かにこの「対比」から考えると示唆が出しやすくなりますね。
例えば、「一般的には課長に昇進するには10年かかるが、鈴木さんは7年で課長に昇進した。鈴木さんは優秀であるに違いない」の分の前半部分が「対比」なんですね。納得。
B〇条件とは簡単にいうと「B案(相手の主張)は〇となる(成立する)条件(b)を示して、その条件を否定(a)した上で、A案(自分の主張)に誘導する議論と説得の手法」です。
本文130ページ
もし、〇〇〇だったら、あなたの意見は正しい。
本文137ページ
だけど今回は〇〇〇ではないので、あなたの意見は正しくない。
ですので、完全に身につくまでは、議論を振られた時や何か相談を受けた時、こういう反応に変えてみてください。
もし「〇〇という条件でXX」なら賛成。
だけど、そうじゃなければ反対かな。
それで、実際どうなの?結局のところ、思考技術を身につけるにはこうやって地道にクセにしていくことが一番効果的なのです。
本文181~182ページ
議論を円滑に進める技術として登場するのがこの「B〇条件」です。
私を含め、直接主張同士で議論してしまいがちですが、その主張が成り立つ前提条件を肯定し、その前提条件を否定して自分の主張に誘導していくということです。
これは様々な場面で役に立ちそうです。具体例は本書で読み進めてみてください。
考えるとは「言葉」をつむぐこと。
本文309ページ
私が師匠から学んだことのうち、「考える<話す<書く」というものがあります。この順番で進めていけば自分の考えが洗練され、「考えられない」ということがなくなるということです。
この部分は、(「言葉をつむぐ」ところまでいかないと思考ではないという意味で)私が学んだことに近いと勝手に思いました。
実は、コンサルタントの「考える」は、ノーベル賞学者の「考える」と違います。
多くの場合、コンサルタントの「考える」は「整理」に近いと思っています。
コンサルの思考技術を小難しく堅い内容で説明している硬派のビジネス本が多い中、これまでコンサル経験のない人でも理解できるようにかみ砕いて書かれ、かつ具体例や演習問題で腹落ちしやすくしている本は今までになかったと考えています。
入社数年目の社会人が読むとその後の業務で活用してすぐにレベルアップしていけそうですし、中堅やベテランの方が読んでも新たな気づきが得られる点はあるかと思います。
まずは、一気に読み切ってしまい、1つでも2つでもいいからこの本に書かれている思考技術を業務で使ってみて、「ゲームみたいに自分の経験値を積み上げていく」ぐらいの気持ちでいきましょう!
この本は第4章「ゲーム&ゲーム」(=「ゲーム」のルールを考える「ゲーム」)で出てくるような、ワクワクするような演習や具体例が満載だよ!
暗記・暗唱すべき思考技術は明記されているので、まずその部分をしっかりと頭に叩き込み、ビジネスシーンでどんどん試してみよう。
一定の経験値が貯まれば、自然とその思考技術が使えるようになっているはずだよ!
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第1章 「答えのないゲーム」の戦い方をしませんか?―「答えのないゲーム」の戦い方・3ルール(「答えのないゲーム」とは何か?―「答えのあるゲーム」の戦い方をしていませんか?;「答えのないゲーム」の戦い方―「答えがない」のだから、こうするしかない。 ほか)
第2章 示唆―ファクトから「示唆=メッセージ」を抽出する思考技術(「示唆」とは何者か?―ファクトを言うポンコツ、脱ポンコツ;「示唆」を身につけるための2つの口癖―口癖が一番、行動が変わる ほか)
第3章 BO条件―炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術(「算数」の解説の上手い下手―「正解」を投げつけるポンコツ;「公務員VSミュージシャン」―BO条件に慣れる時間「駆け落ちを回避する方法」 ほか)
第4章 ゲーム&ゲーム―思考プロセス、問題解決プロセスを体得する(ゲーム&ゲームとは何か?―あなたには解けるか?;ゲーム&ゲームの解説1―ステップ1:論点を立てる ほか)
第5章 5つのゲーム感覚―「答えのないゲーム」とその先へ(ボジョレー思考VSロマネコンティ思考―エリートの罠;理解ドリブンVS暗記ドリブン―エリートの限界 ほか)
同じ著者の最新刊もレビューさせていただいていますので、よかったらお立ち寄りください!
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